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在留資格で就労可能な種類とは

記事作成日2016/04/22 最終更新日2016/04/22

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日本で働きたい外国人の方や、外国人を雇いたい雇用主の方などは、どんな在留資格によってどんな就労が可能なのかを知っておく必要があります。
ここでは、在留資格でどのような就労が可能なのか、また、違反するとどうなるのかなどについて紹介していきます。

■日本で就労するには、どのような在留資格が必要か

 在留資格は外国人が日本に滞在するための資格ですが、その在留資格は27種類あり、そのいずれかの在留資格を持っていなければなりません。これは「出入国管理及び難民認定法」に定められています。

 27種類の在留資格を大きく3種類に分けると、「就労が認められる在留資格」「就労は認められない在留資格」「身分または地位に基づく在留資格」となります。

 また、まれなケースではありますが、個々の外国人に与えられる在留資格もあります。
 ワーキングホリデー・外交官の家事使用人・難民申請中の者・EPA協定に基づく看護師候補生など、それぞれの立場に基づいて就労の可否が与えられる在留資格です。

「就労が認められる在留資格」…外交・公用・教授・芸術・宗教・報道・経営、管理・法律、会計業務・医療・研究・教育・技術・人文・知識・国際業務・企業内勤務・技能・興行・技能研修・高度専門職
「就労は認められない在留資格」…文化活動・短期滞在・留学・研修・家族滞在
 「身分または地位に基づく在留資格」…永住者・日本人の配偶者・永住者の配偶者・定住者は活動に制限はありません

「就労が認められる在留資格」をより詳しく説明すると、以下のとおりです。
・外交 … 外国政府の大使、公使、総領事、代表団、構成員とその家族など
・公用 … 外国政府の大使館や領事館の職員、国際機関等からの公の用務で派遣される者などとその家族
・教授 … 大学教授、講師など
・芸術 … 画家、作曲家、著述家など
・宗教 … 外国の宗教団体から派遣される宣教師など
・報道 … 外国の報道機関の記者やカメラマンなど
・経営、管理 … 企業の経営者、管理者
・法律、会計業務 … 弁護士、公認会計士など
・医療 … 医師、歯科医師、薬剤師、看護師など
・研究 … 政府機関や企業などの研究者
・教育 … 小学校や中学や高校などの語学教師など
・技術、人文、知識、国際業務 … 機械工業等の技術者、通訳、デザイナー、企業の語学教師など
・企業内勤務 … 外国の事業所からの転勤者
・技能 … 外国料理の調理師、スポーツ指導者、パイロット、貴金属等の加工職人など
・興行 … 俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手など
・技能研修 … 技能実習生
・高度専門職 … 高度な学術研究、技術分野、経営管理分野

(参照元:http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/kanri/qaq5.html)

■在留資格以外の就労は認められないのか

 日本の在留資格が認められた外国人は、それぞれに与えられた在留資格の範囲内でのみ活動できます。そのためそれ以外の就労活動を行った場合は「出入国管理及び難民認定法」に違反することになり処罰されます。

 ただ、本来与えられている在留目的の活動を行いながら、本来の在留活動を阻害しない範囲内で臨時的や副次的に行う収益活動であれば、「資格外活動許可」を受ければ問題ありません。
具体的には、留学生が生活のためにアルバイトをしたい場合、資格外活動許可を受けることでアルバイトが可能になります。
「資格外活動許可」の申請には手数料はかかりません。ただし週あたりの稼働時間が決まっているなど、様々な制限があるので確認が必要です。

■在留資格に違反して不法就労したらどうなるのか

 「出入国管理及び難民認定法」によると、在留資格に違反して資格外活動をした者(就労した者)には「資格外活動罪」、それをあっせんした者(紹介したブローカーなど)や働かせた者(雇った者)には「不法就労助長罪」が成立します。

・「資格外活動罪」… 資格外活動が専従の場合は3年以下の懲役またはは禁固、もしくは300万円以下の罰金となり、非専従の場合で1年以下の懲役または禁固、もしくは200万円以下の罰金となります。
・「不法就労助長罪」… 3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金となります。

 また、法改正により、「知らなかった」という理由で処罰を免れることができなくなりました。
 資格外活動が明らかに認められると、最悪の場合、母国に強制送還される可能性があります。
 平成25年に強制送還された外国人は475名にのぼります。安易な気持ちで在留資格の範囲外の活動を行うことは絶対にやめましょう。

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