行政書士業務ブログ

監査役の職務、権限と責任

2018/05/30

タグ: 会社法の注意点

1)監査役の選任

 監査役は、株主総会の普通決議で選任されます。ただし、解任の場合には特別決議によらなければなりません。この点、取締役の解任の場合と決議要件が異なるので、注意が必要です。

 取締役会設置会社と会計監査人設置会社では、監査役を置かなければならないとされています。ただし、取締役会設置会社であっても、非公開会社で会計参与を設置している会社では、監査役を置く必要はありません。なお、委員会設置会社では、監査役は置くことができません。

 

2)監査役の職務、権限

監査役の職務は、取締役の職務の執行を監査することにあります(会社法381条1項)。

監査役は「取締役の職務の執行を監査する業務監査」と「計算書類等の監査を行う会計監査」の両方の権限を有します(会計参与がある場合、会計参与の業務も監査します)。監査役の主な権限として以下のとおりです。

 

①いつでも、取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対して事業の報告を求め、又は監査役設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる(会社法381条2項)

②その職務を行うため必要があるときは、監査役設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる(会社法381条3項)

③必要があると認めるときは、取締役(または招集権のある取締役)に対し、取締役会の招集を請求することができ、招集がない場合、自ら招集できる(会社法383条2、3項)。

④取締役が監査役設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監査役設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる(会社法385条)

⑤会社が取締役(取締役であった者を含む)に対し、又は取締役が監査役設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、会社を代表し(会社法386条)

いつでも、取締役および会計参与などに事業の報告を求め、監査役設置会社の業務および財産の状況の調査をすることができる。

 

3)監査役の義務

 また、監査役の義務として、取締役会出席と取締役会での意見陳述が規定されています。さらに、監査役は、監査の過程で取締役の職務執行に違法な事実を発見した場合、①取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)への報告、②株主総会への報告、③取締役の違法行為の差止請求、④会社の違法行為是正および取締役の違法行為による損害賠償請求のための会社訴訟提起などの行動をとります。

 

4)監査役の責任

 ・会社に対する責任

監査役は、その任務を怠ったときは、会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。 監査役に対して損害賠償を請求するためには、監査役の任務懈怠の事実、損害発生の事実及び任務懈怠の事実と損害発生の事実の間に相当因果関係があることを立証すれば、監査役の故意・過失に基づくことが当然に推定されることになります。

 

・第三者に対する責任

  監査役がその職務を行うにつき悪意または重過失があったことにより、第三者が損害を被った場合には、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負います。また、監査役が監査報告書に記載すべき重要な事項につき虚偽の記載をしたことにより、第三者が損害を被った場合にも第三者に生じた損害を賠償する責任を負います。

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