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黄金期到来!? インド(India)の概要と最新トピックス【TOMAシンガポール支店 公認会計士駐在の会計・税務事務所】

記事作成日2014/10/24 最終更新日2021/02/02

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ブログに掲載するインド地図【はじめに】

今回はインド(India)の概要・最新トピックスとしてインドの会社法改正による日系企業への影響についてです。

【インド概況】(地域名から日系企業数までJETROインド基礎データより引用)

・地域名:インド India

・面積:3,287,263平方キロメートル(日本の約8.8倍)

・人口:12億1,019万人(2011年センサス)※センサスは10年毎に発表

・首都:デリー 人口1,675万人(2011年人口センサス)

・言語:ヒンディー語、英語、ウルドゥー語、ベンガル語

・宗教:ヒンドゥ教(80.5%)、イスラム教(13.4%)、キリスト教(2.3%)など(2001年センサス)

・公用語:ヒンディー語(連邦公用語)、英語(準公用語)

・実質GDP成長率(%):4.7(2013年)

・一人あたりのGDP(名目):1,505米ドル(2013年)

・消費者物価上昇率(%):9.7(2013年)

・日系企業数:1,072社、2542拠点(2014年1月)

人口は増加を続けておりやがて中国を越えるかもしれません。とても大きい国ですので、インド一国として考えるよりもエリアごとに調査するほうがいいように思います。

【機会の窓:人口構成から読み解くと、これから30年がインド黄金期に?】

国連の人口学者によると「人口に占める子供の数の割合が30%以下、高齢者の割合が15%以下である」のことを「機会の窓」と呼び、文字通り経済的繁栄のチャンスの窓が開き続ける期間だと定義しています。

インドは、人口構成から2015年から2050年の35年間にわたり機会の窓が開くといわれています(JETROニューデリー事務所作成インドの経済状況とビジネス環境より)。なお、日本は1965年から30年間機会の窓が開いている期間でした。まさしく日本の黄金期だったのではないでしょうか。

しかもインドの人口は中国に次ぐ2位でありとても大きい市場です。

現在進出している企業は現地市場の開拓に注力しており、このチャンスをつかもうとしています。

【最新トピックス:2013年会社法(Companies Act.2013)60年ぶり改正】

インドでは会社法が改正されましたが、日本企業への影響が少なからずあります。会社の規模の大小問わず日本企業へ影響を及ぼす事項は下記のとおりです。

①  取締役の居住義務(インド会社法第149条第3項)

(改正内容)

公開会社・非公開会社問わず、1名以上の取締役が前年において合計182日以上インドに滞在していることが義務づけられた。なお、適用初年度となる2014年は4月1日から日割り計算して137日以上インドに滞在していればよいとされた(事実上の経過措置の追加がされたそうです)。

(影響)

インド駐在員の帰任及び着任に影響を及ぼしますので日本企業の人事政策にも影響が出ます。この点日本の親会社でも注意を払う必要があります。

対策としては、取締役の適任者をインド居住者の中から確保することや、日本人が取締役に選任されるに先立ってインドに182日以上滞在することが考えられます。

②  会計年度の見直し(インド会社法第2条第41項)

(改正内容)

改正前は会計年度を自由に設定可能でしたが、改正後は原則として4月1日から翌年3月31日までとなりました。現在異なる会計年度を設定している会社は、施行後2年以内に会計年度を変更することが必要となっています。なお、新設される会社法審判所(Tribunal)の許可があれば異なる会計年度が認められる余地はあります。

(影響)

親会社の決算日が12月決算など異なる決算日の場合は、インド子会社で2回決算をおこなう必要が生じるか、会社法審判所に異なる会計年度を認めてもらう必要があります。日本の上場企業ではIFRS対応のため12月決算に変更している企業もあることから多くの日本企業で対策が必要かもしれません。

③  監査人(公認会計士または監査法人をさす)の任期の見直し(インド会社法第139条第1項、第2項)

(改正内容)

新会社法では一人会社・小会社以外の会社は、監査人が自然人(個人の会計士)の場合は1期(5年間)、法人の場合(監査法人)は2期(10年間)に渡って同じ監査人を選任することができますが、監査人の独立性を担保するため、任期満了から5年を経過しなければ、再任することができません。なお、任期の起算点は2014年4月1日からです。

※  インドではすべての会社に監査を義務付けている。

※  一人会社とはインド人株主一人の会社であり、小会社とは払込資本の額が500万ルピー以下または直近の損益計算書における売上高が2000万ルピー以下の会社を指す。このため、日本企業を含む外国企業がインドに子会社を設立しようとする場合において、一人会社を選択することはできない。また、親会社や子会社に該当する会社については、小会社の定義規定の適用はない(会社法第2条第85項)ため、日本企業が小会社制度を利用することは出来ないとされています。

(影響)

インドに進出しているすべての日本企業に影響がある事項です。特に親会社と子会社で監査人を統一している場合は、統一できない時期が生じてしまいます。日本の親会社や現在の監査人と今後の方向性を検討する必要があります。

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