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シンガポールの就労ビザについて その4【TOMAシンガポール支店 公認会計士駐在の会計・税務事務所】

記事作成日2015/10/26 最終更新日2017/01/27

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[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]

【はじめに】

前回に続き、日本法人の方がシンガポール子会社や支店等で就労する場合に取得する、就労ビザについてお話をします。

【Employment Passの発行を受けるためには】

Employment Pass(以下、EP)の申請にあたり、シンガポール当局が重視しているのは、下記の6つの要素であるといわれています。

EP審査は、AからFまでの要素を総合的にバランス化して判断しますので、個々の要素を満たさないからといって、ただちに審査が通らないということはありません。

説明の都合上、前回に続き再度掲載します。

A 月収(Salary)

B 学歴

C 職歴

D 雇用するシンガポール法人の資本金金額

E 雇用するシンガポール法人のシンガポール人雇用人数(ビザ更新時)

F 雇用するシンガポール法人の売上(ビザ更新時)

Eについて

客観的な基準はありませんが、シンガポール人を雇用すればするほど、EPの更新は受けやすくなる傾向があります。

Fについて

シンガポール法人の売上金額の月額平均値が、人件費を上回っていなければ、EPの更新を受けられないケースが見られます。

なお、シンガポール税法で定められている、いわゆるサービスカンパニー(親会社などのために市場調査・マーケティング・販売支援・事務作業などを請け負っている形態の会社については、営業費用の105%相当額のみなし売上を計上し、納税をしなければならないという税務上の制度)が計上するみなし売上も、通常の売上と同様に扱われているようです。

【Employment Passの申請がReject(差し戻し)された場合の対応】

シンガポール行政から、ビザ申請について差し戻しを受けることもありえるのですが、差し戻し理由は明かされません(昔は行政官が口頭で話してくれたケースもあったそうです)。

3ヶ月以内に再申請をすることができますので、行政官から差し戻しの際に求められた追加資料を用意して再申請することとなります。審査期間は通常より延びて1ヶ月程度となります。

また、再申請ではなく、新規で申請することもできます。しかし、一度同じ申請条件で申請をして差し戻しされているのですから、給与金額の引き上げ等の対策が必要かと思われます。

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