目次
【はじめに】
2014年の12月にフィリピンのマニラを視察してきました。今回からフィリピンの概要について数回にわたってお話したいと思います。
【フィリピン概況】(地域名から日系企業進出状況までJETROフィリピン基礎データより引用)
・国・地域名:フィリピン共和国 Republic of the Philippines
・面積:300,000平方キロメートル
・人口:9,820万人(2013年、出所:国家統計調整委員会(NSCB))
・首都:マニラ首都圏(NCR) 人口1,254万人(2013年、出所:NSCB)
・言語:フィリピノ語、英語、セブアノ語など
・宗教:カトリック教(82.9%)、イスラム教(5.1%)など
・公用語:フィリピノ語、英語
・実質GDP成長率(%):7.2(2013年)
・一人あたりのGDP(名目)ドル:2,790(2013年)
・消費者物価上昇率(%):3.0(2013年)
・失業率(%):7.1(2013年)
・日系企業進出状況:1,260社(2014年10月出所:外務省「海外在留邦人数調査統計(平成26年要約版)」)
私見では、英語が堪能な人材がそろっているのですがフィリピン国内で仕事が多くない(うまく事業が拡大していない)ため失業率が高い傾向があります。シンガポールにもフィリピンの方が出稼ぎに来ています。
【フィリピンの人口ピラミッド】
他のアジア諸国と比較してもキレイな三角形の人口ピラミッドとなっています。若い労働力が得やすい環境にありますし、1億近くの人口ですので旺盛な需要が期待できます。
【進出企業の業種】
インターネットで検索すると、IT-BPO(ホームページや設計などの業務受託)が多いとあります。しかし、実際フィリピンで現地の方に伺ったところ、2012年前後にフィリピンに進出した日系の製造業(キャノン、ブラザーなど)が日本からの進出企業の中心となっているとのことでした。製造業でも最終ラインの組み立ての工場が多いとのことでした。
なお、日本のコンビニやユニクロ等の小売業も進出していますが、外資規制の影響からかフランチャイズでの進出(ユニクロはフィリピン有力企業との合弁)になっているようです。気になるのはアジア進出が目覚しいイオンが進出していない点です。
なお、アメリカのような英語圏の会社は、コールセンターなどをフィリピンに設置するケースが多いです。これは、フィリピン人は皆さん英語を話すため、スタッフレベルの教育もしやすく、人件費の安さや地代の安さもあいまって事業運営上プラスに働くからとのことでした。
また、事業とは直接関係ないのですが、フィリピンのコンドミニアムへの投資ができるそうで、ひそかに注目されているとの情報を入手しました。この件は調査が必要ですが、良い話かもしれません。
【言語】
全員が英語を話すとのことです。私がフィリピンを訪れた際、タクシードライバーから通りかがりの人まで全員英語で会話をしました。大統領の演説も英語だそうです。
なお、行政に提出する書類等も英語です。英語に対応できればまったく問題はありません。
【人件費】以後、換算レートは1ペソ=2.7円で換算して記載します。
最低賃金制度があり、マニラ地区の最低賃金は1日466ペソ(1日1,258円)であり、ちょっとはずれのラグナ地区の最低賃金は1日360ペソ(1日972円)とのことでした。
JETROから入手した給与支給額の統計表によると、係長で月約30,000ペソ(81,000円)、部長で月約80,000ペソ(216,000円)とのことでした。
給与は月2回支払いで、賞与は平均年1.5ヶ月程度の支給にとどまっています。賞与については支給しない会社も多くあるとのことです。
フィリピンの特徴として、ある程度社会人経験を積んだ人は他の国に出稼ぎに出るケースが多いことです。これは、フィリピン国内の係長クラスの給料より、他国のメイドさんの仕事の給料のほうが高いことが多いため、金銭面を理由に出稼ぎに行くという事情だそうです。
【家賃】
日本人駐在員が多いロックウエル地区では、2ベットルームで月50,000ペソから70,000ペソ(135,000円から189,000円)の家賃でコンドミニアムが借りることが出来るそうです。なお、1ベットルームで月26,000ペソから30,000ペソ(70,200円から81,000円)だそうです。
注意点としては、鉄道が発達していないので、車とお抱え運転手を手配する必要がある点です。車1台とドライバー1人セットで月40,000ペソ(108,000円)程度で頼めるそうです。
他のアジア諸国では家賃相場の上昇が目立ちますが、フィリピンではそれほどでもなく、物件は借りやすいとのことです。
【治安等】
気になる治安などについては、次回以降お話します。
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