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中小企業の所得拡大促進税制の改組(平成30年度税制改正)

記事作成日2018/03/12 最終更新日2018/05/21

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 平成30年度の税制改正では、従来の所得拡大促進税制が、大企業向け等の制度と中小企業向け等の制度との2つの制度に改組され、それぞれ見直しが行われました。背景には、賃上げや人材投資を増加させている企業に対する支援措置の強化や、生産性の低い業種の中小企業に対する重点支援、十分な賃上げや国内設備投資を行った企業に対してその金額に見合う税額控除措置を講じる等の観点があります。
 今回はその中でも中小企業向けの改正について説明していきたいと思います。

◆適用の要件

現行制度
(1)給与等支給総額が対基準年度比で3%以上増加すること
(2)給与等支給総額が前年度以上であること
(3)平均給与等支給額が前年度を超えること

改正後
平均給与等支払総額が前年度比で1.5%以上増加すること

◆税額控除

現行制度
給与等支払総額の対基準年度増加額の10~22%の税額控除

改正後
給与支払総額の対前年度増加額の15%の税額控除
ただし一定の要件(※)を満たす場合には25%の税額控除

(※)一定の要件とは、平均給与等支払総額が前年度比で2.5%以上であり、かつ、次のいずれかを満たすこと
(イ)教育訓練費が対前年度比10%以上増加
(ロ)中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、経営力向上がなされていること

 なお、この制度は青色申告書を提出する法人で、国内雇用者に給与等を支給する場合に適用されるものであり、税額控除は当期の法人税額の20%相当額が限度とされています。また、対象時期は次の期間に開始する各事業年度となっております。

現行制度
平成25年4月1日~平成30年3月31日まで

改正後
平成30年4月1日~平成33年3月31日まで

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