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グループ経営最適化のための組織再編

記事作成日2018/07/10 最終更新日2018/07/10

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今回は、グループ経営最適化のための組織再編について記載します。

◆機能していない会社を残しておくことのデメリット

業績拡大時に事業部を法人化してグループ経営を始めた会社は世の中に多く存在します。しかし、事業環境には波があります。法人化から数年後、事業環境が悪化して縮小し、機能していない会社がそのまま残っていることが多々見受けられます。
機能していない会社が残っていると、不必要なコストが生じることになります。機能していない会社についても、決算・申告作業が必要になります。作業が増加すれば人件費や税理士などに支払うコストが増加します。
また、所得の有無に関係なく都道府県や市町村に支払う必要がある「均等割(資本金や従業者数などにより税額は変動)」という税金もあります。
つまり、グループ全体で不必要なコストや税金が生じることになります。

◆戦略的撤退と組織再編税制

グループ会社においては、機能していない会社を有効活用できる可能性があります。それが組織再編税制の活用です。
具体的には、
(1)機能していない会社に多額の繰越欠損金(将来の所得と相殺可能な過去のマイナス所得の累積)がある。
(2)グループ会社内に儲かっている会社がある。
この2 点を満たしているグループ会社は機能していない会社を有効活用できる可能性が高いです。機能していない会社の繰越欠損金を儲かっている会社が引き継ぐことができる可能性があるためです。
一定の要件を満たした場合、儲かっている会社と機能していない会社を合併すると、機能していない会社の繰越欠損金を儲かっている会社が引き継ぐことができます。また、機能していない会社が儲かっている会社の100%子会社の場合は、一定の要件を満たすことで、機能していない会社を清算することにより、機能していない会社の繰越欠損金を儲かっている会社が引き継ぐことができます。

組織再編を行う際は、税務だけではなく、経営面、会計面、労務面、法務面などあらゆる角度から検証することが必要になります。
ご興味がある会社の経営者の方、経営幹部の方、お気軽にTOMAへご相談ください。

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