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高層階ほど税額高く タワマン節税に待った!!

記事作成日2016/11/11 最終更新日2016/11/11

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2016年10月末、政府・与党は「高層マンションの高層階の固定資産税と相続税を引き上げ、一方で低層階の税負担を軽くすることを今後の税制改正で検討する。」と発表しました。

これにより、富裕層の間で相続税対策として広がっていた、いわゆる「タワーマンション節税」に待ったがかかることとなりました。

タワーマンション節税とは?

タワーマンションとは、大都市圏で増えている20階建以上の超高層物件のことをいい、建築規制の緩和により、1999年から大都市圏で急増し、現在全国で1200棟以上あると言われています。眺望のよい高層階の部屋ほど人気のため、取引価格は高くなる傾向にあります。

その一方で、固定資産税評価額は、1棟の評価額を各所有者の専有面積で按分するため、階層による差はなく、同じ面積であれば最上階であろうと低層階であろうと同じ税額が課せられています。

この、時価と評価額のかい離に着目した節税策が「タワーマンション節税」です。 2015年の税制改正で、相続税の基礎控除が引き下げられたことをきっかけに、富裕層の間でこのタワーマンション節税の人気が高まったことから、今回政府が対策に乗り出すこととなりました。

タワーマンションの新たな評価の仕組み

新しい評価額の仕組みとして、マンション1棟あたりの評価額は変えずに、タワーマンションの中間の階は現行と同じ評価額のままで、中間よりも高層の階で段階的に評価額を引き上げ、低層の階では段階的に引き下げることが検討されています。

固定資産税は固定資産税評価額の約1.4%なので、評価額1億円の建物にかかる固定資産税は約140万円、1.1億円となると固定資産税は154万円に増えることとなります。

この新しい税制は、2018年以降に引き渡す20階建以上の新築物件に対象を限定し、既存の物件や中古物件には適用されない見通しで、政府は12月にまとめる与党税制大綱に盛り込むことを目指しています。

相続税対策で大切なこと

時流にあわせて数々生まれる相続税対策ですが、対策が流行れば国税庁がその対策に乗り出す、というイタチごっこはいつの時代も変わりません。 相続対策を講じる際に大切なのは、現在有効であるとされる策が、将来無効になる可能性もあるという意識で、税制改正のリスクについてもあわせて考えることかと思います。

税制改正について報じられる年末年始が近づいています。まずはニュース・報道などに注意を払い、今後の政府や国税庁の動きにアンテナを張ることからはじめてみませんか。

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