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従業員持株会のメリット・デメリット

記事作成日2017/09/15 最終更新日2021/01/22

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従業員の福利厚生の一環等として導入される従業員持株会は、非上場会社のオーナーの相続対策にも活用できます。持株会(従業員持株会)は、本来従業員のために作られた民法上の組合です。上場企業では、持株会を設置しているケースも多くあります。

今回は従業員持株会のメリット・デメリットと併せて、自社株対策としての持株会設置の有効性を解説します。

従業員持株会とは

持株会とは、会社が役員や従業員に配当などの便益を与えて自社株の取得・保有を推進させる制度で、従業員への福利厚生の一環として導入する企業もあります。

会社が持株会を導入するメリットとデメリット

会社側のメリット

・従業員の福利厚生の一環となる
・従業員の経営参加意識の向上につながる→経営の活性化
・株式の社外流出を防ぐことができる
・会社オーナーの相続対策に役立つ
・名義株対策
・愛社精神の向上

【会社にどのようメリットがあるかそれぞれ説明します】

・従業員の福利厚生の一環となる
・従業員の経営参加意識の向上につながる→経営の活性化
・愛社精神の向上
従業員が給与以外に配当をもらうことで帰属意識を高めることができます。

・株式の社外流出を防ぐことができる
従業員が退職する場合に持株会に株が残るようにすることもできるので、株式の分散を防ぐことできます。

・会社オーナーの相続対策に役立つ
このあとの「従業員持株会を相続対策に活用する効果」にて説明いたします。

会社側のデメリット

・従業員の資本参加が多いとオーナーの会社支配権が弱くなる
・公正な運営が行われないと従業員からの不満がでる
・退会等による換金が集中すると株式の転売が難しくなる
・高配当の維持ができない→従業員の不信感が出る

【会社にどのようデメリットがあるかそれぞれ説明します】

・従業員の資本参加が多いとオーナーの会社支配権が弱くなる
従業員の資本参加が多くなるとオーナー独自の経営が困難になる

・高配当の維持ができない→従業員の不信感が出る
・公正な運営が行われないと従業員からの不満がでる
持株会の設ける条件が魅力的でない場合、従業員加入率が芳しくなく、持株会の維持そのものが難しくなる

従業員が持株会に入るメリットとデメリット

従業員側のメリット

・配当金と奨励金が高利回りで資産形成に役立つ
・少額の資金で自社株が購入できる
・会社が倒産しない限りキャピタルロスがない

従業員側のデメリット

・倒産の場合、資産も失う
・株式公開前の退会及び公開取り止めの可能性がある

従業員持株会を相続対策に活用する効果

持株会を利用することで、贈与税あるいは相続税を減少させることができます。それは持株会の利用で「相続する財産額を下げることができる」ということになります。方法としては、一般的な算定による相続する株価評価額は「原則的評価方式による評価額×株式数」なため、相続する株価評価額が大きいほど税金が多くなります。ですので「原則的評価方式による評価額」か「株式数」のいずれかを減らすことがその対策になります。

持株会を作り、株式を所有させれば、後継者の株式数は減少しますので、贈与税あるいは相続税が減少するという仕組みです。なお、持株会に株式を所有させれば、経営への介入なく自社株の評価額減少が可能となる点もメリットの1つと言えます。

上記会社側のメリットにあるオーナーの相続対策に役立つというのはどのようなことか具体的に記載していきます。

前提条件は以下

導入前
相続財産→オーナーが100%(1000株)株式を所有
会社の相続税評価は1000万円

導入後
オーナーが80%株式を所有、従業員持株会が20%を所有
持株会への売却価額は10万円

相続財産の減少
800万円+10万円=810万円
1000万円-810万円=190万円減少

上記の通り、従業員持株会に安い価額で売却することで、相続財産の減少につながります。

持株会は、事業承継の際に経営者に大きなメリットをもたらしてくれます。事業承継に持株会を活用する効果について詳しい説明をしているページはこちらになります。
>>事業承継に持株会を活用する効果について

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