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贈与税の配偶者控除

記事作成日2017/07/28 最終更新日2017/07/28

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贈与税についても、配偶者への優遇措置が設けられています。居住用の土地、建物を配偶者へ贈与した場合には、2,000万円まで非課税にするというものです。

適用を受けるための要件

配偶者との婚姻期間の要件

婚姻期間が20年以上であること。

取得する財産の要件

居住の用に供する土地等又は建物(居住用不動産)であること。又は、金銭を取得して取得日の翌年3月15日までに、居住用不動産を取得すること。

取得後の要件

取得日の翌年3月15日までに居住の用に供し、かつ、その後引き続き居住の用に供する見込みであること。

手続き

贈与税の申告書に控除を受ける金額、控除に関する事項及び前年以前にこの規定の適用を受けていない旨を記載し、戸籍の謄本や居住用不動産の登記事項証明書その他一定の書類を添付する。

居住用不動産の範囲

土地等のみを取得した場合

居住の用に供する家屋の敷地のみを取得した場合には、その家屋は、夫又は妻の居住用として所有しているか、贈与を受けた配偶者と同居する親族が居住用として所有している必要があります。

店舗兼住宅の土地等及び家屋を取得した場合

居住の用に供している床面積部分については、居住用不動産として取り扱うこととされます。

店舗兼住宅の土地等のみを取得した場合

贈与を受けた配偶者が当該家屋のうち住宅の部分に居住し、夫又は妻の居住用として所有しているか、贈与を受けた配偶者と同居する親族が居住用として所有している必要があります。

相続税の生前贈与加算との関係

相続税には、相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けていた場合には、相続税の課税価格とみなされて、課税価格に加算されるという規定(生前贈与加算)があります。当然、居住用不動産を贈与した場合に、その贈与日が3年以内であれば、この生前贈与加算の規定が適用されることになります。

しかし、贈与税の配偶者控除の適用を受けていた場合、相続税の課税価格に加算される金額は、2,000万円を控除した金額となりますので、相続税対策とすることも可能となります。

注意点

  1. 配偶者控除の適用ができるのは、同一の配偶者に対して一生に1回のみである点に注意が必要となります。例え2,000万円以下の贈与で控除の残額があったとしても、その残額を後に使うことはできないので、贈与のタイミングは慎重な検討を要します。(同一年中の贈与であれば、土地と建物を2回に分けて贈与した場合でも、2,000万円の控除が受けることができます。)
  2. 贈与税は非課税となりますが、不動産取得税や登記費用等の他の税金等の費用がかかりますので、注意が必要となります。

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