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持株会社(ホールディングカンパニー)の活用

記事作成日2018/06/12 最終更新日2022/04/07

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近年、持株会社(ホールディングカンパニー)という言葉が身近になりました。大企業のみならず、最近では中小企業においても活用されています。今回は持株会社についてご説明したいと思います。

持株会社とは?

持株会社(もちかぶがいしゃ)とは、他の会社の株式を保有することにより、その株式発行会社の事業活動を管理・支配する会社をいいます。

持株会社の活用

(1)戦略と事業の分離

持株会社である親会社はグループ全体の戦略や経営管理、リスクマネジメントを行い、傘下の子会社は自社の事業経営に集中することができます。その結果、グループ全体の経営効率を向上させることができます。

(2)複数事業を抱えている会社の財務状況および人事制度の悩み

ひとつの会社で複数事業を抱えている場合、それぞれの事業ごとの正確な財務状況を表せないといった問題や給与体系や人事評価制度を全社一律の体系としてしまい、事業ごとの給与体系や人事評価制度を採れないといった問題が発生する場合があります。

こういった問題が発生した場合において、持株会社を採用することで各事業会社ごとの財務状況を正確に表せるようになります。また、給与体系や人事評価制度についてもそれぞれの事業ごとに作成できるため従業員の仕事へのモチベーションが上がります。

(3)親族外での円滑な事業承継の実現

創業家一族が株式の所有と経営を行っていたが後継者が不在の場合において、創業家一族が持株会社の株主になり、事業子会社の社長に有能な第三者に就任させることで所有と経営を分けることができます。これにより親族外での円滑な事業承継を実現することができます。

(4)M&Aによる組織構造のスピード化

合併によって経営統合を行うと、労働条件や賃金体系の統一といった受け入れる人材に係る問題が発生することが多いです。そういった場合は買収をして、持株会社の傘下のひとつの事業会社とすることで人材に係る問題が発生せず、合併に比べ、スムーズな組織構造の変革が可能となります。

持株会社を導入することで、さまざまな問題を解決できる場合がありますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

監修 TOMAコンサルタンツグループ コーポレートアドバイザリー部

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