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仮想通貨の会計処理について

記事作成日2017/11/24 最終更新日2018/01/05

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ここ最近ニュースで取り上げられ始めた仮想通貨ですが、実際に利用されている方はまだ少ないかもしれません。しかし、今後急速に普及していく可能性があるため、今回は仮想通貨を利用される場合の会計上・税務上の取扱いについて説明していきます。
現在日本で流通している仮想通貨には、ビットコインやビットコインキャッシュ、リップル等があります。これらは「仮想」ではありますが、「通貨」ですので、お金と同じように商品を購入したり、決済したりする際に利用することができます。
一般的な通貨と異なる点は、銀行等を利用せず、個人間で直接支払いができる点です。また、国によって通貨の単位が異なるといったこともありませんので、世界中で取引をすることができます。

決算書へはどのような影響があるのか

企業が期末時点で保有している仮想通貨については、現金や有価証券と同じように、貸借対照表の資産に計上することになります。
企業会計基準委員会(ASBJ)によると、仮想通貨は期末時点の時価で貸借対照表に計上することになります。ここでいう「時価」とは、最も頻繁に利用している取引所の価格から算出します。ただし、流動性が乏しく売買や換金が難しい場合には、取得価格で計上することも許容されています。
そして、簿価と時価の差額を損益として認識します。その際の勘定科目としては「仮想通貨運用損益」等で営業外損益に表示することになります。

仮想通貨に消費税はかかるのか

以前の日本では、仮想通貨は「モノ」として扱われ、日本円でビットコインを購入する際には消費税が課税されていました。
これがH29年度税制改正により、2017/7/1以降に行う取引からは、仮想通貨の譲渡(購入・売却)に係る消費税は非課税取引へと改正されました。

所得税法上の取扱い

ビットコインを初めとする仮想通貨を使用することにより生じる損益は、原則として雑所得に区分され、所得税の課税対象となります。仮想通貨を企業ではなく個人で利用されているような場合は、儲けを出すと所得になりますので、確定申告が必要となる可能性があり、注意が必要です。雑所得となった場合、給与所得等と合算され、所得に応じて累進課税が課されます。

まだまだ企業にも個人にも馴染みがない仮想通貨ですが、日本円でのビットコイン取引量は、ドルなどの他国の通貨での取引量を上回り、世界で第1位となっています。急速な普及に伴い法律や会計基準が整備されてきていますので、価格変動により価値が下がるリスクを踏まえたうえで、これから利用を考えている方は一度内容を検討されてみてはいかがでしょうか。

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