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スター選手も楽じゃない?プロ野球選手の税金!

記事作成日2016/11/17 最終更新日2016/11/17

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今年の秋、プロ野球では日本ハムファイターズが日本一になり盛り上がりました。近年、広島カープを応援するカープ女子や二刀流でお馴染みの大谷翔平選手、二年連続トリプルスリーを達成した山田哲人選手などが世間注目を集めています。

今回はそんな中でプロ野球選手の税金について紹介したいと思います。

プロ野球選手の所得

二刀流大谷翔平選手の年俸が2億円で、先日引退した広島東洋カープの黒田博樹選手の年俸が6億円と言われています。ではこの年俸は私達と同じように給与なのでしょうか?それとも自営業と同じ事業所得なのでしょうか?

結論としては、事業所得に該当することになります。これは選手は球団と雇用契約している従業員ではなく、個人事業主だと考えられているからです。したがって、給与所得ではないので、我々が通常行うような年末調整などはなく、一年分の所得を確定申告しなければなりません。

事業所得の計算方法は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。プロ野球選手の場合、総収入金額は年俸や契約金、CM出演料などであり、必要経費はバットやグローブなどの道具、遠征の費用、トレーニング代などです。しかしこの大半はスポーツメーカーや球団が負担してくれるため総収入金額に比べ必要経費が少なく収入の大半が所得になると考えられます。

入団時の契約金はどうなるの?

毎年秋にプロ野球のドラフト会議で獲得した選手が所属球団と契約した場合の契約金は1億円を超えることもあります。この契約金は実質的に前払いの要素があり、一年分の所得として考えることは妥当ではないため、一定の要件を満たすと臨時所得の平均課税という制度の適用を受けることができます。

臨時所得の平均課税とは契約金などの臨時所得を五年分の所得とみなしこれを五で割り、その割った後の金額に累進課税率を掛け五倍すること(五分五乗方式)をいいます。契約金などの臨時所得で収入が一時的に増加した場合の調整措置であり、普通に所得税を計算する場合に比べて節税することができます。

翌年の住民税への影響

住民税はその年の所得に対して課税されるのが翌年で、前年所得課税主義を採用しています。プロ野球選手の場合にはその年の成績によって大きく年俸が変わり、成績が大きく落ち、年俸が大きく下がった場合には、翌年の住民税額が収入金額を超えてしまい、住民税の支払いが大変になることがあります。これは我々にも言えることで前年仕事をしていた人が退職した場合など翌年の住民税の負担が大きくなることがあります。したがって、一般の方々も収入があるうちに納税資金をためておくことが大事となるので十分に注意しましょう。

まとめ

国民の三大義務の一つには納税の義務があり、国を維持し発展させていくためには必要不可欠なものです。今回はプロ野球選手の税金について説明し、一般の方々には想定しづらいですが、税務は様々な制度や徴収の考え方があります。このブログが読者の皆様に少しでも興味を持っていただけるきっかけになれば幸いです。

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