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所得税の非課税

記事作成日2018/02/23 最終更新日2018/09/18

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連日、平昌オリンピックでの日本人の輝かしい活躍が報道されておりますが、ちょっと気になるのがメダリストの報奨金です。オリンピックでメダルを獲得すると、日本オリンピック委員会(JOC)は、報奨金を出します。この報奨金については、日本では課税されるのでしょうか。

結論をいえば、この報奨金は課税されません。所得税法9条1項14号に、日本オリンピック委員会等からもらうオリンピックでの報奨金については、所得税を課さないとする規定があるためです。なお、通常の報奨金については課税されることになります。ただし、オリンピックでの報奨金と同様に、ノーベル賞の賞金についても、所得税は非課税とされ課税されません。(所得税法9条1項13号ホ)

もうすぐ、確定申告の期限もせまっていますので、今回は所得税の非課税について、代表的なものを説明します。

 給与所得者の通勤手当 

給与所得者が通勤するために必要な交通費について、会社等から通常給与等に加算してもらう通勤手当のうち、通常必要と認められる部分として一定の金額は所得税が非課税とされています。
一定の金額とは、交通機関等の利用の場合には、1月当たり15万円が限度とされています。自転車や自動車などの場合には、距離に応じて限度額が決められています。
なお、交通機関等の利用の内には、新幹線通勤の場合を含むものとされています。月15万円の限度を考慮すると東海道新幹線なら、2018年2月現在で東京―静岡間は新幹線定期で月133,860円なので、限度内でできることになります。東北新幹線なら東京―新白河間(月142,520円)、北陸新幹線なら東京―上田間(月144,310円)が限度内となります。

永年勤続者表彰費用

永年勤続した役員や従業員の方の表彰にあたり、その記念として旅行、観劇等に招待し、又は記念品を支給することがあると思います。この場合には、一定の要件を満たせば課税しなくても差し支えないとされています。なお、記念品の支給を金銭や商品券などで支給した場合には課税されることになります。
一定の要件とは、(1)勤続期間等に照らして、社会通念上相当と認められること、(2)おおむね10年以上の勤続年数の者を対象とし、2回以上表彰を受ける者については、おおむね5年以上の間隔をおいておこなわれるものであること、の2つの要件となります。
したがって、一般的に高額すぎず、10年以上働いている人に支給する分には課税されないということになります。

レクリエーション等の費用

レクリエーションのために社会通念上一般的に行われていると認められる会食、旅行、演芸会、運動会等の行事の費用を負担した場合には、社会通念上高額ではなく、従業員等がおおむね参加している場合には、給与所得として課税しなくても差し支えないものとされています。

損害保険金等

通常保険金を受け取った場合には課税されますが、損害保険契約による保険金などの、損失を補填するために支払われる保険金については、所得税は非課税とされています。
また、身体に傷害を受けたことにより給付を受ける給付金についても、非課税とされています。したがって、生命保険契約により受け取った入院給付金等についても非課税とされます。

今回は所得税の非課税の一部を説明しましたが、確定申告の提出期限も迫ってきました。余裕をもって申告できるようにいたしましょう。

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