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M&A増加で膨らむのれん。会社買収の可否 【TOMAシンガポール支店 日本公認会計士駐在の税務会計事務所】


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【はじめに】
今回は、株式会社東芝の決算でも話題となっている「のれん」の減損処理を通じて、企業買収のメリット・デメリットについて、筆者の今までの経験を踏まえてお話をします。

【のれんとは?】
企業会計上ののれん とは、一般的に企業の買収・合併時の「買収された企業の時価評価純資産」と「買収価額」との差額のことをいいます。たとえば、買収先企業の純資産時価が3億の企業を5億で買収した場合、差額の2億がのれんとして貸借対照表に計上されます。

【のれんの減損とは】
簡単にご説明すると、買収先の収益性が低価している場合、貸借対照表に計上されているのれんの資産価値を減らし、減少額を損益計算書に計上することをいいます。買収にともなってのれんが発生している場合は、買収先の純資産価値よりも割高で買収していることから発生しているため、割高で買った分だけの収益を買収先が生み出さないと、のれんに対して減損をするケースがあります。
日本では、減損の戻し入れが認められていないことなどもあり、投資先企業が減損を実施した場合は、投資の失敗と解釈されてしまいます。

【子会社株式・投資有価証券の減損】
監査法人や公認会計士の監査を受けていない非上場企業などでも、買収のみならず、会社の株を購入することがあります。その場合、「のれん」勘定が生じなくても、個別財務諸表の貸借対照表で、投資有価証券や子会社株式など買収先の株式金額が表示されます。
もし、購入先の収益性が悪化した場合、会計基準にしたがって決算処理すると、株式の減損をせざるを得ないケースがあります。
日本の非上場会社では、法人税法に基づく決算処理をしている例を多く見かけます。法人税法では株式の評価を下げることはなかなか認められないので、減損といってもイメージがわかないかもしれませんが、株式の評価を切り下げなくても、株式の購入がうまくいっていないというのは理解できるかと思います。この点企業買収とあまりかわりがありません。

【買収が盛んになった理由】
近年、諸外国と同様に日本でもM&Aが盛んになりました。なぜ盛んになったかというと、以下の理由があると考えられます。
1 自ら会社を設立してビジネスを行うよりも、買収したほうが事業展開のスピードが速くなるため
2 企業を買収したり、事業を買収するということは、その事業の人的資源・ブランド・販売網なども取得できる。仮に自らその事業を開始しても、同様の資源を獲得できるか不確実なため、買収するほうが確実。
3 日本の企業の一部については、過去のビジネスの成功により多額の資産をもっているため。言いかえれば投資資金をもっている企業が多いため。
4 日本特有の事情だが、社長が高齢であり、かつ、後継者が見当たらない場合、他社の事業を譲ることによって従業員の雇用を守りつつ、自ら引退をするため。
5 既存の事業の将来の収益性に疑問をもっており、将来の収益の柱になりそうな事業を手っ取り早く取得したいため。

【買収がうまくいかない場合】
今回の株式会社東芝のように、企業買収がうまくいかないケースもあります。うまくいかないケースは以下の3点があります。
1 買収時の価格が割高であった。
2 買収先のライバルの出現、法規制の変更など、その事業を取り巻くビジネス環境が変わり従来のビジネス手法では収益が上げられなくなった。
3 買収元の買収経験が乏しく、その後の事業運営に関するノウハウが乏しい。

1については、買収時の貸借対照表に記載されていなかった簿外負債があることなども原因となります。
実際の例では既存の従業員に対して退職金支給の規定があるにもかかわらず、退職給付引当金など会計上の手当がされていなかったり、買収先が更なる投資をしており、その投資の状況が芳しくなく、減損リスクが高い場合があります。
この点は、監査法人や公認会計士に財務デュデリジェンスをお願いするとともに、事前に簿外債務の有無等について調査を念入りにしてほしいなど注文をつけるといいと思います。また、買収先の事業の内容や動向を良く知っておくことも必要です。
特に、日本の非上場企業は諸外国とことなり、監査法人や公認会計士の監査をうけていないことが多いので、財務状況については特段の注意を払う必要があります。そうでなければ、割高な買い物をしてしまう可能性が高くなります。
さらに、経営者が割高な金額で買収してしまう心理もあります。世界の経営学者はいま何を考えているのか(入山章栄著)によると、”経営者は時にもっともらしい経営上の説明とは別の理由で巨額の買収額を払いがちであり、その原因は経営者たちの思い上がり、焦り、そしてプライド”といっています。

2については、買収先の企業が買収後新たなライバル企業の出現などで収益性が低下するケース、法規制が変更となり買収先企業にとって不利な変化となったため、人員の大量退職などが考えられます。株式会社東芝のケースは、東日本大震災の発生により原子力ビジネスの将来性に懸念が生じたので、この2のケースがあてはまるかもしれません。


3については、買収元の買収経験が乏しく、買収後の運営がうまくないということです。これは買収先企業の問題ではなく、買収元企業の人材に関する問題で、解決するには、買収を手がけた経験にある人材などを連れてくるなどの工夫が必要となります。
また、将来の企業の存続を考えた場合、小さな買収を繰り返して行い、そのノウハウをためるのがいいかもしれません。


【私見】
事業投資については、企業トップが決断する重要な仕事になります。その企業の将来を左右する重要な任務です。
一番良くないのは、あせって買収してしまうことだと思っております。既存事業の将来に不安だったり、同業他社とのシェア争いを強く意識している場合、つい割高な価額で購入してしまうケースを見ます。
また、売りに出ている企業は収益性が悪い企業が多く、ただ買収しただけでは収益性の回復は難しいです。さらに、一定の収益を得るには、順調に行っても10年ぐらいかかるケースが多いです。買収先の人員の再教育もありますし、買収元が力を入れて取り組まないとうまくいきません。
皆さんがわかりやすい例をあげると、DeNAによる野球球団買収があります。よくある低迷している組織体の買収で、組織風土の改革や新たなビジネス手法の導入、野球場である横浜スタジアムの直営化(買収)など、あの手この手で取り組んで、売上増に結び付けています。
相当根気強く取り組む必要がありますし、5年程度取り組んでいて、先が見えないのであれば、事業をやめるなどの検討も必要かと思います。


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