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キャッシュ・フロー計算書とは? その3 会計基準で定められている主な内容 Statement of Cash Flows Part 3 【TOMAシンガポール支店 日本公認会計士駐在の会計事務所】


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【はじめに】

今回は、キャッシュ・フロー計算書に関する会計基準や実務指針で定められている主な内容についてご説明します。

 

【キャッシュ・フロー計算書の3つの区分】

連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準では、「営業活動によるキャッシュ・フロー」、「投資活動によるキャッシュ・フロー」及び「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分を設けなければならないと定めています。

また、国際財務報告基準でも同様に、”Operating activities”の区分と “Investing activities”の区分と”Financing activities”の区分に分類するよう定めています(国際会計基準7号Statement of cash flowsの第10項。なお、国際会計基準は昔作成された会計基準で、現在は国際財務報告基準に含まれる基準だと理解してください)。

 

【具体例】

HOYA株式会社の平成27年3月末までの事業年度の連結キャッシュ・フロー計算書を掲載しながら、キャッシュ・フロー計算書がどのように表示されているかを確認してみましょう。

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(自 平成26年4月1日

(自 平成27年4月1日

 

至 平成27年3月31日)

至 平成28年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 税引前当期利益

118,249

119,099

 減価償却費及び償却費

34,852

33,524

 減損損失

286

981

 金融収益

△2,296

△1,721

 金融費用

1,209

976

 持分法による投資損失(△は利益)

10

△3

 有形固定資産売却損(△は利益)

△612

△842

 有形固定資産除却損

282

400

 為替差損益(△は利益)

△12,559

2,946

 その他

4,776

△2,040

営業活動によるキャッシュ・フロー

144,196

153,319

(運転資本の増減等調整前)

運転資本の増減

 

 

 棚卸資産の減少額(△は増加額)

△701

△2,758

 売上債権及びその他の債権の減少額(△は増加額)

△736

2,741

 仕入債務及びその他の債務の増加額(△は減少額)

△314

355

 退職給付に係る負債及び引当金の増加額

△349

267

(△は減少額)

小計

142,095

153,924

 利息の受取額

1,399

1,699

 配当金の受取額

53

8

 利息の支払額

△1,001

△878

 支払法人所得税

△27,354

△23,206

 還付法人所得税

187

342

営業活動によるキャッシュ・フロー

115,380

131,889

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 定期預金の払戻による収入

14,082

11,909

 定期預金の預入による支出

△14,988

△12,115

 有形固定資産の売却による収入

2,118

2,746

 有形固定資産の取得による支出

△18,385

△18,184

 投資の売却による収入

1,920

128

 投資の取得による支出

△58

△391

 子会社の売却による収入

0

 子会社の取得による支出

△281

△1,792

 合併交付金の支出

△2

△2

 事業譲受による支出

△1,855

△111

 関連会社への貸付による支出

△8,500

 その他の収入

611

4,903

 その他の支出

△2,050

△2,254

投資活動によるキャッシュ・フロー

27,387

15,161

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 支払配当金

△32,103

△31,496

 非支配持分への支払配当金

△9

△625

 短期借入金の増加(△は減少)

△215

△94

 長期借入金の返済による支出

△578

△279

 社債の償還による支出

△25,126

△21

 自己株式の売却による収入

0

0

 自己株式の取得による支出

△30,035

△130,151

 ストック・オプションの行使による収入

2,137

1,980

 非支配持分の取得による支出

△832

財務活動によるキャッシュ・フロー

85,929

161,519

現金及び現金同等物の増加(△は減少)

2,064

△44,791

現金及び現金同等物の期首残高

331,094

348,819

現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額

15,662

△17,737

現金及び現金同等物の期末残高

348,819

286,292

 

まず着目していていただきたい数値は、赤字で記載した営業活動によるキャッシュ・フローの数値です。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」の金額は、『企業が外部からの資金調達に頼ることなく、営業能力を維持し、新規投資を行い、借入金を返済し、配当金を支払うために、どの程度の資金を主たる営業活動から獲得したかを示す主要な情報となる(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成に関する実務指針第7項)』と説明されています。要するに、事業によって獲得したお金を表示しているといえます。私見ですが、キャッシュ・フロー計算書で一番大事な情報です。

なお、赤字で記載した営業活動によるキャッシュ・フローの数値より上に、記載されている数値がたくさんありますが、これらは分析上あまり意味がない数値です。

なぜなら、海外も含む多くの会社は間接法という方法でキャッシュ・フロー計算書を作っていて、期間損益計算を目的とした複式簿記で作成した会計帳簿や連結決算書のデータから加減算しながら資金収支の金額を作成しているにすぎず、加減算情報自体に大きな意味がないからです。

なお、まれに直接法で作成されている計算書もあります。この場合は、営業収入の金額や仕入支出の金額が開示されますので、意味のある情報となります。

 

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、『企業が投資をしたことによる資金の将来の利益獲得及び資金運用のために、どの程度の資金を支出し又は回収したかを示す情報となる(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成に関する実務指針第8項)』とされています。要するに、企業による投資額を示しています。一般的に事業を拡大したり新規事業を始める場合は、この数値がマイナスになる傾向があります。

 

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、『営業活動及び投資活動を維持するためにどの程度の資金が調達又は返済されたかを示す情報となる(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成に関する実務指針第8項)』とされています。要するに、企業の財務活動によって調達した資金を示しています。借入による資金調達をしたりするとプラスの数値となり、資金を返済している過程にある場合はマイナスの数値となります。一般的に事業縮小をしていたり、既存事業で利益が上がっている場合、資金がだぶついている場合は、借入金の返済にあてたり、自己株式の取得をおこなうケースが見られますので、マイナスの数値となる傾向があります。

 

【次回】

次回も引き続き、キャッシュ・フロー計算書についてお話をします。

 

 

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