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連結決算の手順・仕訳紹介シリーズ その4 Consolidated Statements. How to prepare and present? Part 4【TOMAシンガポール支店 日本公認会計士駐在の税務会計事務所】


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【はじめに】

今回は、海外子会社の連結についてお話をします。

 

【海外子会社の決算書が外国通貨で表示されている場合】

連結財務諸表を作成するときに、親会社と子会社の決算書を合算して作成するという点は第1回でお話をさせていただきました。簡単な式で表現すると下記の通りです。

 

 (親会社の財務諸表(日本円)+子会社の財務諸表(USドル)-調整作業=連結財務諸表

 

この場合、親会社と子会社の決算書を単純に合算することが出来ません。このため、子会社の決算書についてUSドルから日本円へ変換する作業が必要となります。

 

【USドルから日本円への変換作業】

ここからは簡単な数値を使って説明します。

親会社が海外子会社を3,000円で設立したとしましょう。決算日の為替相場が1USドル100円、便宜上、利益剰余金が2,040円、資本金拠出時の日本円が3,000円として換算した貸借対照表は以下の通りとなります。

 

科目

USドル

日本円

現金及び預金

3

300

売掛金

58

5,800

貸倒引当金

-6

-600

たな卸資産

36

3,600

有形固定資産

75

7,500

減価償却累計額

-30

-3,000

資産合計

136

13,600

買掛金

49

4,900

短期借入金

33

3,300

未払法人税等

3

300

未払利息

1

100

長期借入金

13

1,300

資本金

20

3,000

利益剰余金

17

2,040

為替換算調整勘定

256

-1,340

負債純資産合計

136

13,600

 

基本的な考えとして、資産と負債については決算時の為替相場による円換算額を付し、資本に属する項目は株式取得時の為替相場などで換算します。このため、貸借に差額が発生します。その差額を収容する科目を「為替換算調整勘定」と呼びます。

換算後の日本円の決算数値を連結決算で使うこととなります。

 

なお、換算に関するルールは下記の外貨建取引等会計処理基準で定められています。参考に本基準のうち、海外子会社の換算に関するところを記載します。

 

外貨建取引等会計処理基準 

三 在外子会社等の財務諸表項目の換算

連結財務諸表の作成又は持分法の適用にあたり、外国にある子会社又は関連会社の外国通貨で表示されている財務諸表項目の換算は、次の方法による。

1 資産及び負債

資産及び負債については、決算時の為替相場による円換算額を付する。

2 資本

親会社による株式の取得時における資本に属する項目については、株式取得時の為替相場による円換算額を付する。

親会社による株式の取得後に生じた資本に属する項目については、当該項目の発生時の為替相場による円換算額を付する。

3 収益及び費用

収益及び費用については、原則として期中平均相場による円換算額を付する。ただし、決算時の為替相場による円換算額を付することを妨げない。なお、親会社との取引による収益及び費用の換算については、親会社が換算に用いる為替相場による。この場合に生じる差額は当期の為替差損益として処理する。

4 換算差額の処理

換算によって生じた換算差額については、為替換算調整勘定として貸借対照表の資本の部に記載する。

 

 

【為替換算調整勘定の解説】

為替換算調整勘定については、過去に本ブログでお話をしましたが、お問い合わせが多いので、ここでも再度ご説明します。

過去のブログは下記の通りです。

http://toma.co.jp/blog-toma-singapore/%E7%82%BA%E6%9B%BF%E6%8F%9B%E7%AE%97%E8%AA%BF%E6%95%B4%E5%8B%98%E5%AE%9A%E3%80%80foreign-currency-translation-reserve%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F-2/

 

上記の例では、設立時の為替相場(資本金20USドルで3000円なので、1USドル=

150円)より、決算日の為替相場(1USドル=150円)が円高のケースです。このようなケースでは、為替換算調整勘定の残高は借方(△1,340円)になります。

では、円安に振れる場合はどうでしょうか。決算日の為替相場を1USドル=170円とした場合の貸借対照表は下記の通りとなります。

 

科目

USドル

日本円

現金及び預金

3

510

売掛金

58

9,860

貸倒引当金

-6

-1,020

たな卸資産

36

6,120

有形固定資産

75

12,750

減価償却累計額

-30

-5,100

資産合計

136

23,120

買掛金

49

8,330

短期借入金

33

5,610

未払法人税等

3

510

未払利息

1

170

長期借入金

13

2,210

資本金

20

3,000

利益剰余金

17

2,040

為替換算調整勘定

256

1,250

負債資本合計

136

23,120

 

円安に振れた場合、為替換算調整勘定は貸方となります。

 

ところで、仮に親会社が海外子会社の株式を売却した場合、当該海外子会社に関する為替換算調整勘定はゼロとなります。

また、税効果会計の観点から説明しますと、親会社が海外子会社の株式を売却する意思が明らかな場合は、繰延税金資産または負債を計上することとなります。

英語では、Foreign currency translation reserveと記載されたりしますが、英語表記については明確なルールはありません。

 

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