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TOMA弁護士法人 弁護士前岨博とその弟子ブログ:マンスリーコラム

忘れられる権利とは?


 検索サイトGoogleの検索結果について、男性が削除を求めた仮処分申立て事件で、今年1月31日、最高裁判所は、男性の請求を棄却しました。

◆男性の申立て

 この男性は、5年以上前に児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪で罰金刑を受けたのですが、逮捕当時の報道記事やネット掲示板の書き込みなどから、名前の検索によって逮捕歴等が分かってしまうのは人格権侵害にあたるとして、Googleに対して検索結果の削除を求める仮処分を申し立てました。

◆地裁では「忘れられる権利」が認められた

 第一審のさいたま地裁は、2015年に、「ある程度の期間が経過すれば犯罪を社会から忘れられる権利がある」として、男性の申立てを認め検索結果の削除を命じる決定を出し、注目されました。
 ところが、第二審の東京高裁は、「忘れられる権利」は法で定められた権利ではないと判断し、第一審の決定を覆して削除命令を取り消し。男性が決定に対して異議申立てをし、今回の最高裁決定に至りました。

◆忘れられる権利とは?

 さいたま地裁が言及した「忘れられる権利」(Right to be forgotten)とは、2014年にEU司法裁判所が認めた権利で、ネット上等に残り続ける個人情報の削除を求めることが出来る権利と言われています。
 インターネットの普及により、誰でも簡単に、全世界へ向けて情報発信することができるようになりました。そして、一旦ネット上で公開された情報は半永久的に残り続ける可能性があります。過去のネガティブ情報がいつまでもネット上の残り続けることは、個人や会社にとって深刻な不利益となる可能性もあるでしょう。
 他方で、情報発信する立場からすると、安易に情報の削除が認められることは、表現の自由の侵害にもなりかねません。

◆最高裁の判断内容

 高裁は、「忘れられる権利」は「法で定められた権利ではない」としましたが、今回の最高裁決定は、「忘れられる権利」については言及せず、「プライバシーを公開されない利益」と「検索サイトの表現の自由」とを比べて、前者が明らかに優越する時に削除が認められる、という判断の仕方をしています。
 法律で定められていなくても、判例上認められている権利はあります。「肖像権」もその一つです。
 時代の変化に応じて、新しい権利として「忘れられる権利」も日本で認められる日が来るのかも知れません。


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